外壁通気工法とは?メリットやデメリットを紹介

現場

外壁の色見や使用する商材についてこだわる方は多いと思いますが、外壁の工法についてこだわる方は少ないでしょう。
ここでは外壁通気工法という工法について紹介していきます。

進化し続ける日本の住宅

昔の住宅に比べて昨今の住宅は様々な機能が向上しています。
特に断熱性能や気密性は著しく機能が向上しています。
断熱性能、気密性が向上したことで、木造住宅でも年中快適に暮らすことが出来るようになったり、室内の冷暖房機能が効率化することでエコな暮らしを送れるようになりました。
しかし断熱性能、気密性が向上したことによる問題が発生してしまいました
それは壁内の内部結露です。
高気密にすることで壁内に溜まった湿気が逃げ場を失い、結露となって住宅へ悪影響を与え始めてしまいました。
内部結露は柱や土台といった構造軸を腐朽させたり、カビの発生、白アリが住みやすい環境作りといった悪影響を及ぼします。
そういった内部結露を発生させない為に開発されたのが「外壁通気工法」です。

外壁通気工法とは

日本の住宅は本来「直貼り工法」という工法で外壁を仕上げていました。
外壁の下地に対し、防水紙、外壁材を固定するという方法です。
直貼り工法の場合、外壁材と下地の間に全く隙間がありません。
対して1980年代に開発された「外壁通気工法」は下地と外壁材の間に隙間を作るという工法です。
下地に防水紙を取付け、胴縁という柱をかまし、胴縁に外壁材を固定していくという工法です。
外壁材と下地の間に一定の隙間を作ることで空気の移動道を作り、湿度を吸放出することが出来ます。

メリット

メリットは何と言っても内部結露を防ぐことが出来るという点です。
内部結露が防げることで、構造軸の腐朽防止、カビ防止、多湿高温の防止とメリットだらけです。
一方「外壁通気工法は隙間があるから雨が入るのでは?」という声もあります。
しかし外壁通気工法は、直貼り工法よりも防水効果も高まります。
仮に外壁が劣化し、隙間から雨が侵入しようとする場合でも雨が流れ落ちていく為の隙間があります。その為、隙間がない直貼り工法よりも防水効果も高まります。

デメリット

基本的にデメリットがない工法ですが、全くない訳ではありません。
1つは価格面です。隙間を作る為の胴縁施工費がややプラスされてしまいます。
また、外壁が揺れた際には直貼り工法よりも剥がれやすいというデメリットもあります。

まとめ

外壁通気工法は今では標準仕様となっている工法です。
非常にメリットが多い工法なので、しっかりと特徴を把握しておきましょう。